2017年06月23日

「摂食障害」(1)

いらいらしたり、何かに行き詰ったとき、パンやお菓子をたくさん食べて、その後嫌な気持ちになることは誰でもあります。お菓子、半分でやめておこうと思って、途中で胃が気持ち悪くなりながら袋ぜんぶ食べたりもします。食べている時はいらいらする気持ちを忘れることができます。また、眠れないとき何か食べるとほっとして眠りやすくなる時もあります。いろいろ我慢しているお気持ちを少しでも発散する方法として食べることは一つの方法です。せっかく食べるからせめて「美味しい」と思って食べて、後で「あ〜あ」と自分を責めないでいられるといいのですね。

それとは別に、「摂食障害」があります。「拒食」「過食」「食べて吐く」など皆様もよく聞いてご存じですよね」。精神疾患の中でも一番「命をおとす」危険がある病気です。昔からある病気で、日本では1788年頃この病気に対する文献があります。どうしてこんな病気にかかるのか、はっきりした原因はわかっていません。残念なことに特効薬もありません。

この病気の特徴として、(1)有病率(この病気にかかる人の割合)が比較的多いこと、(2)自分は病気でない、何も悪いところがないという「否認」が症状の一つのため、、医療者との治療関係ができにくいこと、(3)確立されている治療方法がないこと、が挙げられます。「過食」だけの場合は治療をすることなく自然に軽減されることもありますが、「拒食」あるいは「過食嘔吐」の場合は、一人で対処できにくくなります。「拒食」が続き低体重になってもそれが自分の「いい状態」であり、体重を増やすことに対して強い不安が生じ、拒否します。命に危険が及ぶ状態となり自分の意志と反し入院治療に移行することもありますが、栄養を入れて一定の体重に達したら退院というシステムが多く、入院しても根本の治療は難しいとされています。

治療者は、強く食べることを指導するか、ある程度見守りとするのか、身体の状態によって変えていきますが、「治療に本人の力をどう生かすか」、「自分をコントロールする力の回復をどう促すか」が治療者のポイントになります。

患者さんにとって、「痩せていること」は困っていることではありませんが、「体調もよくいい状態です」と言われます。でも他には「困っていること」はたくさんあるはずです。体重のこと以外で、何にどれだけ困っているかを治療者に伝えること、あるいはうまく治療者が聞き出してくれるかが最初のステップになります。
自分の頭の中で気になること、考えていることを円グラフにしてみましょう。この病気と戦っているひとは、
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と、ほぼ大半が食事のことで頭が一杯になってしまいます。

一般的には、もちろん人によって違いますが、「食事」のことは多くを占めることはありません。将来のこと、子供のこと、仕事のこと、お金のこと、自分の病気のことなどが、気になっていることでしょう。

そう、一番困っていることは、ほぼ一日中食事のことを考え、「自由な時間がない」こと、他のことを考えるエネルギーがないことです。
また、
決まったものしか食べられない
人と食事できない
低体重によって身体にさまざまな合併症がでる
食品をため込んでしまう
必要以上に節約しないとと思ってしまう
社会からだけでなく、家庭内で孤立する
自己評価が低く、つらい思いをする
体力がないため、疲れやすく、仕事を始めても続けることができない
何事も完璧にしないと気が済まなくて日々の生活がまわっていかない
食品にかけるお金が高額でお金がなくなる

が挙げられます。
さらに、

不安が強い
眠れない
憂うつである
無力感
自責感
対人不安、対人不信
などお気持ちの根本がつらくなります。


ちょっとつらいお話が続きますので、話題を変えて、

「京都一周トレイルその2 東山から北山へ」に参加してきました。


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京都市内の地図でどのあたりを走るのか示しました。

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前半は比叡山を登ります。延暦寺近くを走りました。

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後半いくつか山を越え、最後は鞍馬山を登ります。靄がかかって幻想的でした。

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くらま温泉がゴール。温泉に入って帰ります。本日一日で唯一ほっとして嬉しい時間でした。

タグ:摂食障害
posted by terada at 14:47| 病気、その他について